どうしてでしょうか、娘が玄関に行きたがると、
必ず届いています。夕刊が。

私は何かが届いていてもあまり気付かないので、
娘の敏感さには多少の尊敬を覚えます。
アッチ! アッチ! と娘が指差して、普段あーはいはい、
と私が夕刊を取りに行くのですが、
その日は玄関へのガラスの引き戸を開けるなり、
三和土に降りようとしたのは娘でした。

え? と思っているうちに、
玄関の丁度いいところに置いてあったサンダルに
そーっとちいさな足を突っかけると、
すり足でそーっとそーっと、脱げないようにか慎重に、
夕刊のもとへと歩いています。
背伸びで夕刊を手に入れて
彼女はその場で、サンダルを脱ぎました。

え? と固まった私の傍を、
颯爽と駆け抜けて行く、三和土から素足の娘。
あ、あ、あなた、
さっきまであんなに慎重だったじゃないかー!
大人用のサイズのサンダルです。重かったんでしょうね、
方向転換も難しかったのでしょう。
わからなくはない、わからなくはないけれど、
でも何だか拍子抜けですよ、娘よ。
夕刊取ってきてくれて、ありがとうね。
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